DiSCとHIDDEN VALUEの違い
DiSCは、企業研修やチームビルディングの場でよく使われる行動スタイル診断です。HIDDEN VALUEも型を出しますが、目的と検証の仕方が異なります。ここでは優劣ではなく、事実として違う点を整理します。
心理学者ウィリアム・M・マーストンの理論をもとに開発された、行動のスタイルを4つに分けて説明するモデルです。現在は複数の企業が独自にDiSCベースの製品を提供しており、代表的な提供元の一つがJohn Wiley & Sons, Inc.(Wiley)です。
DiSCの質問紙は、原則として回答者の自己申告だけで完結します。回答が本人の実際の振る舞いと合っているかどうかを、その仕組みの中で確かめる経路はありません。
HIDDEN VALUEは、内面16問(8軸×2問)の自己申告に加えて、利用者が任意で接続した実データ(GitHub・GitLabの活動、ChatWorkやBacklogで実際に任されているタスク、Xの投稿)から実測値を出し、同じ軸の上で申告と実測を突き合わせます。ずれている軸を「自己認識のズレの候補」として示すことが目的です。
逆に言えば、実データを接続しない場合、HIDDEN VALUEも自己申告だけで完結します。この状態ではDiSCと同じ制約を受け、ズレは出ません。
| DiSC | HIDDEN VALUE | |
|---|---|---|
| 入力 | 自己申告(質問紙) | 自己申告16問+任意の実データ接続 |
| 型の数 | 4つの主要スタイル(組み合わせでより細かく示す製品もある) | 8軸のスコアから機械的に決まる10種類 |
| 裏づけ | 提供元企業による研究・出版の蓄積がある | 当サイトが定義した軸。標準化された心理尺度ではない |
| 利用場面 | 主に企業研修・チームビルディング | 個人の自己理解。ウェブ上で無料 |
| 時間の扱い | 型は比較的安定したものとして扱う | 測定を保存し、再測定すると前回からどの軸が動いたかが出る |
なお、HIDDEN VALUEの「型」は当サイトの診断が独自に定義したもので、確立された心理学的分類ではありません。8軸のスコアの組み合わせから機械的に決まります(占いではありません)。10種類の一覧と決まり方は型の一覧ページで公開しています。
目的が違うので、置き換えの関係ではありません。チームで共通の語彙を持ち、お互いの関わり方の違いを研修として扱いたいなら、蓄積と運用実績のあるDiSCのほうが向いています。一方、「自分の思っている自分」と「実際に出ている振る舞い」がずれていないかを確かめたいのであれば、自己申告だけを入力とする方法では原理的に分かりません。HIDDEN VALUEはその一点のために作られています。
HIDDEN VALUEの8軸は当サイトが定義した傾向の指標で、標準化された心理尺度ではありません。軸に優劣はなく、申告と実測のズレは候補であって断定ではありません。場面によって使い分けている場合も、実データが本人の活動全体を代表していない場合もあります。詳しくは測れないことのページに書いています。選抜・評価の判断材料として単独で用いる用途には適しません。