エニアグラムとHIDDEN VALUEの関係
エニアグラムは、自己理解のモデルとして長く使われてきた9タイプの類型論です。HIDDEN VALUEも型を出しますが、決め方と検証の仕方が異なります。ここでは優劣ではなく、何が違うのかを事実として整理します。
人の性格を9つの類型に分け、9つの点を線でつないだ図(エニアグラム)の上に配置して説明するモデルです。20世紀にグルジェフが紹介した考え方をもとに、オスカー・イチャーソやクラウディオ・ナランホらが心理学的な性格類型として体系化したとされています。各タイプには中心にある動機や恐れがあるとされ、隣接するタイプ(ウイング)やストレス・成長時に動くとされる先(矢印)も合わせて語られます。
どのタイプに近いかは、9つの説明を読んで自分で判断する(セルフタイピング)か、質問紙に回答して推定する方法で見つけます。いずれも入力は本人の自己申告です。
エニアグラムは、セルフタイピングであれ質問紙であれ、原則として自己申告だけで完結します。自分がそのタイプだと思っている、または診断がそう出た、という以上の確かめ方は仕組みの中にありません。
HIDDEN VALUEは、内面16問(8軸×2問)の自己申告に加えて、利用者が任意で接続した実データ(GitHub・GitLabの活動、ChatWorkやBacklogで実際に任されているタスク、Xの投稿)から実測値を出し、同じ軸の上で申告と実測を突き合わせます。ずれている軸を「自己認識のズレの候補」として示すことが目的で、型はその過程で機械的に決まるものです。
逆に言えば、実データを接続しない場合、HIDDEN VALUEも自己申告だけで完結します。この状態ではエニアグラムと同じ制約を受け、ズレは出ません。
| エニアグラム | HIDDEN VALUE | |
|---|---|---|
| 入力 | 自己申告(セルフタイピングまたは質問紙) | 自己申告16問+任意の実データ接続 |
| 型の数 | 9タイプ(ウイング・矢印で細分化して語られることもある) | 8軸のスコアから機械的に決まる10種類 |
| 理論的な背景 | グルジェフの思想を起点に体系化された類型論 | 特定の心理学理論の実装ではなく、当サイトが定義した軸 |
| タイプの扱い | 生涯を通じて変わらない核となる性質として扱われることが一般的 | 測定を保存し、再測定すると前回からどの軸が動いたかが出る |
| 受け方 | 書籍・ウェブの質問紙、または講座・コーチングを通じて | ウェブ上で無料。登録不要のコースあり |
なお、HIDDEN VALUEの「型」は当サイトの診断が独自に定義したもので、確立された心理学的分類ではありません。8軸のスコアの組み合わせから機械的に決まります(占いではありません)。10種類の一覧と決まり方は型の一覧ページで公開しています。
目的が違うので、置き換えの関係ではありません。動機や恐れといった深いレベルの物語として自分を理解したいなら、エニアグラムのような類型論のほうが言葉が豊富です。一方、「自分の思っている自分」と「実際に出ている振る舞い」がずれていないかを確かめたいのであれば、自己申告だけを入力とする方法では原理的に分かりません。HIDDEN VALUEはその一点のために作られています。
HIDDEN VALUEの8軸は当サイトが定義した傾向の指標で、標準化された心理尺度ではありません。軸に優劣はなく、申告と実測のズレは候補であって断定ではありません。場面によって使い分けている場合も、実データが本人の活動全体を代表していない場合もあります。詳しくは測れないことのページに書いています。選抜・評価の判断材料として単独で用いる用途には適しません。